環境保護の情報メモ

農作物の必須栄養素

農作物に必須栄養素についての情報をメモ書きしています。

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  1. 必須元素と有用元素
  2. 炭素
  3. 酸素
  4. 水素
  5. 窒素
  6. リン
  7. カリウム
  8. カルシウム(石灰)
  9. マグネシウム
  10. 硫黄
  11. 微量要素
炭素

・植物の乾物の45%を占め、炭酸ガスから生じてくるもので、大気中から光合成によって取り込まれる。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・植物体の全ての有機化合物〈炭水化物、タンパク質、脂肪など〉の構成元素。
・大気中の二酸化炭素から供給されるため、通常は肥料として施用されることはない。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

酸素

・植物の乾物の45%を占め、空気中の炭酸ガスが源。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・植物体の全ての有機化合物〈炭水化物、タンパク質、脂肪など〉の構成元素。
・呼吸作用上不可欠。
・大気中の二酸化炭素、あるいは水から供給されるため、通常は肥料として施用されることはない。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

水素

植物の乾物の5%ぐらいで、根と葉が吸収する水から得られる。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・植物体の全ての有機化合物〈炭水化物、タンパク質、脂肪など〉の構成元素。
・水から供給されるため、通常は肥料として施用されることはない。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

窒素

・マメ科植物が空気から固定する。マメ科植物を輪作に入れるか、緑肥として栽培するか、農場から出る有機肥料によって与えられる。
 窒素欠乏になると生長が進まず葉が黄化する。
 
・過剰は病気のもとであり、アブラムシなどがつきやすくなる。ムギ類では倒伏しやすくなる。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・窒素、リン酸、カリウムは土壌中で不足することが多く、肥料として施用したときの効果が現れやすいので肥料3要素と言う。
・タンパク質構成要素などで、植物の生育・収量に最も大きく影響する。
 
●作物生育との関係
 
○作物の種類によって窒素の適正含量が異なる
・キャベツ等は窒素を多く必要とする。
・窒素施用量が多いと、米の蛋白含量を多くし食味値を低下させる。ホウレンソウでは人の健康面で良くない硝酸態窒素含量が増加するとともに、総ビタミンCが低下する。
 
○窒素過剰で生育に障害
・果菜類の窒素過剰障害としては、トマトやナスの落蕾、トマトの乱形果、スイカのつるぼけ、イチゴの花芽分化の遅延などがあげられる。
 
○窒素過剰で病害虫被害
・窒素が多すぎると軟弱徒長気味に生育し病害虫に罹りやすくなるとともに、過繁茂となることによって風通しが悪くなり、病気に罹りやすくなる。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

リン

・栄養器官の成熟を促し、また果実や種子ができてくるのに重要。
・早晩性の一因であり、病気への抵抗力を増し、耐乾性を強める。
・欠乏すると開花を遅らせ、下葉が黄化したり、葉が紫色になったりする。
・リン酸は地中の微生物によって無機化される。
・リン酸が可吸態になるには、土の生物活動が盛んであることが不可欠。
・海藻無機物はリン酸を補給してくれる。
・リン酸は母岩に由来し、長年にわたる農家の努力の成果としてもたらされたもの。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・窒素、リン酸、カリウムは土壌中で不足することが多く、肥料として施用したときの効果が現れやすいので肥料3要素と言う。
・核酸やリン脂質の構成元素で、植物の分げつ、根の伸長、開花、結実を促進する。一般に作物の生育初期に多く必要とされる。
・リン酸は一般に窒素に次いで生育に影響することが多い。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

カリウム

・光合成における代謝の調節をし、糖とデンプンの含量を増やす。
・欠乏すると葉の黄化が緑からはじまり、葉脈間にひろがる。
・過剰はマグネシウムの吸収を抑制する。
・作物の開花後は、カリウムの多くの量が土に戻っていく。
・カリウムを鉱物として与えるのは以下の場合以外は不要。
 ・砂地でカリウム要求の強い作物を作るとき。
 ・収穫が開花前に終わる時で、この場合は根がカリウムを土に戻してくれない。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・窒素、リン酸、カリウムは土壌中で不足することが多く、肥料として施用したときの効果が現れやすいので肥料3要素と言う。
・多くの酵素の活性化等に関与しており、デンプンの蓄積、ショ糖の転流を促進する。
・カリウムは同化産物(植物の光合成によって合成されたデンプンやタンパク質などの有機化合物のこと)の転流を促進する働きがあることから、同化産物を貯蔵する果実やサツマイモ等の肥大に影響する。
 
●作物生育との関係
 
・一般に果菜類、いも類、豆類はカリウムの要求度が高く、葉菜類は要求度が低い。
・カリウムは贅沢吸収をすると言われており、一般に根からの吸収量ほど生育に必要ではない。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

カルシウム(石灰)

・ペクチン形成に関係する。
ペクチンは植物細胞の強さを保ち、また根の生長を良くし、果実や種子の成熟を助ける。
 
・土のpHは石灰の含量と関係がある。
中性から酸性、アルカリに傾くとリン酸、マグネシウム、鉄などの微量要素の吸収が阻害される。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・ペクチン酸と結合し、植物細胞膜の生成と強化に関与している。
・カルシウムが欠乏すると、生長の最も盛んな頂芽、根の生育が抑制される。このため、その欠乏症状は農作物の生育・品質に大きな影響を与える。
・カルシウムは作物体内では難移動性であるため、カルシウム欠乏は急激に生育が進んだ場合に生育の盛んな部位にカルシウムが移動しにくいことから、その部位に障害が発生することがある。
・交換性カルシウムの必要量については、一般に土壌pHが適正域に維持されていれば作物に必要な量がある場合が多い。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

マグネシウム

・果実と種子の形成と受精に関係
・ビタミンA、Cの含量を増やす。
・土の団粒構造をよくする。
・石灰質の土のpHの調節とリン酸の同化に関係する。
・マメ科植物の窒素固定菌であるリゾビウムの活動を盛んにする。
・昆虫や病原菌から茎葉を守る。
・作物を乾燥に強くする。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・葉緑素の構成要素。
・リン酸の吸収、移動に関与している。
・同じ塩基類のカリウム、カルシウムとマグネシウムは拮抗関係にあり、マグネシウムが多いとカリウム、カルシウムの吸収が抑制される。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

硫黄

・生物体の基本要素の一つであり、タンパク合成に関係する。
 
・母岩由来の硫黄有機物由来の硫黄は、硫黄分解菌によって酸化される。この酸化硫黄は雨で流亡しやすい。
 
・土の中に有機物が不十分で、微生物活動が弱いと硫黄は土の中で不安定になる。
硫黄含量を安定させるには、有機物を与えるとよい。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・タンパク質、アミノ酸などの生理上重要な化合物の構成元素。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

微量要素

・砒素、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ケイ素、コバルトなども不可欠な要素だが、体内にはごく少量しか含まれていない。
 
・もともと母岩に含まれており、またあらゆる有機物にも含まれている。土の微生物によって可吸態にされる。
 
※参考資料『カトリーヌ・ドゥ・シルギューイ(1997)有機農業の基本技術 八坂書房』

 

・作物にとってごくわずかしか必要としないが、作物体の構成元素、酵素の活性化因子等として重要で、その過不足は作物の生育に影響を与える。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

必須元素と有用元素

●必須元素
 
・植物の生育に不可欠で、欠乏すると生育が抑制され、あるいは停止する元素を必須元素と言う。
・植物が必要とする量から便宜上多量要素と微量要素に大別されている。
 
○多量要素
・炭素、水素、酸素、窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄の9元素。
 
○微量要素
・マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、塩素、ニッケルの8元素。
 
●有用元素
 
・必須元素以外にも特定の植物にとって生育に必要な元素があり、それを有用元素と言う。
・代表的なものとして稲、麦など単子葉植物の耐倒伏性、病害虫に対する抵抗性などに効果が認められているケイ素がある。
 ケイ素は、肥料としての施用効果があることから、肥料取締法でも普通肥料(けい酸質肥料)として取り扱われている。
 
※参考資料『有機農業営農ビジョン構築支援事業報告書(2015)有機農業の基礎知識 日本土壌協会』

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