環境保護の情報メモ

肉用牛改良の変遷、改良目標

肉用牛改良の変遷、改良目標についてメモ書きしています。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
  1. 肉用牛改良の変遷
  2. 飼養管理技術の変遷
  3. 肉用牛の改良目標
  4. 人工授精技術
  5. 受精卵移植技術
  6. 交雑種
  7. SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)の活用
肉用牛改良の変遷

・昭和40年代から凍結精液を用いた人工授精を開始。
・昭和40年代半ばから、計画交配による種雄牛生産、産肉能力検定を開始。
・平成に入ってからは、受精卵移植技術を活用した改良を実施。
・牛肉輸入自由化以降、肉質、特に脂肪交雑に優れた種雄牛に利用が集中。
・平成11年度から広域後代検定を開始。
・和牛肉のもっている独特の風味や食味の改良。
コスト低減のため繁殖能力、粗飼料利用性の改良。

飼養管理技術の変遷

・昭和40年代半ばから、乳雄の早期若齢肥育が実用化。
・昭和50年代に肉質向上を目的として肥育期間は長期化。
 また、フィードロット方式(大規模群管理方式の導入)により、大規模な肥育経営が誕生。
・平成以降、乳牛に黒毛和種を交配したF1肥育が急増。

肉用牛の改良目標

●能力に関する改良目標
 
①産肉能力
・飼料消費量を抑制する観点から、早期に十分な体重に達し、現状と同程度の脂肪交雑が入る種畜の作出に努める。
・おいしさの指標化に向けた検討を行う。
 
②飼料利用性
・生産コストの低減のために日齢枝肉重量等の遺伝的能力向上を図り、飼料利用性の改善に努める。
 
③繁殖性
・初産月齢の早期化、受胎率の向上、分娩間隔の短縮に努めるため、繁殖管理を徹底。
・繁殖性に優れる繁殖雌牛を選抜・利用する必要。
・子牛生産指数に着目した改良を早期に開始する。
 
●体型に関する改良目標
 
・繁殖雌牛にあっては過大や過肥は避け、肥育素牛にあっては体幅体深及び肋張りに富み、背線が強く肢蹄が強健なものとする。
 
●改良手法等
 
・産肉能力、繁殖性等の有用形質に関するSNP(一塩基多型)を活用した効率的な種畜選抜の実用化に向けた検証
・遺伝資源の多様性を確保するために、血統情報とSNPの活用と関連性について検討。
・繁殖雌牛については、適正な栄養管理や確実な発情発見等に努め、肥育牛については、効率的な肥育に努め、出荷目標体重に達した際に速やかに出荷するよう努める。

人工授精技術

ウシの繁殖技術の概要の”人工授精技術”参照。

受精卵移植技術

ウシの繁殖技術の概要の”受精卵移植技術”参照。

交雑種

・交雑種は生産コストの引き下げ、肉質の向上を目的に交配させた品種である。
 
・黒毛和種の雄牛とホルスタイン種の雌牛を交雑すると、雑種強勢により黒毛和種などの純粋種に比べて病気に強い等、抵抗性を持つことが知られる。
 交雑種は肉専用種より早く大きくなるため、粗飼料の利用性に優れている。

SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)の活用

・牛1頭ごとの塩基配列の僅かな差(SNP)を確認し、この差と個体毎の能力等の関連について分析。
 
・産肉形質と比較して繁殖形質は遺伝率が低いものの、種畜の評価指標として有用であると考えられるため、SNPを活用して種畜の遺伝的能力評価を実施することを目標とした取組を推進している。
 
・国内しかいない和牛の中で、特徴ある遺伝子を維持し、遺伝的多様性を確保しておくことが必要なため、SNPによる評価で遺伝的に差がある個体を選抜することを目標とした取組を推進している。

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