肉質の評価、豚肉の異常、機能性食肉ついてメモ書きしています。
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肉質の評価
●肉色、脂肪色 ・肉色の濃淡や色調の変化は以下の要因などによって起こる ①ミオグロビン含量 ②ミオグロビンの化学的変化 ③筋肉の微細構造の変化 ・脂肪の黄色化は飼料が原因。 ・脂肪の赤色化はおもに残存したヘモグロビンによるものであり、経時的な化学変化をする。 ●しまりときめ ・肉表面がぶよぶよし、肉汁がしみ出しやすいものを"しまり"が悪いという。PSE豚。 ・肉のきめ(筋肉の束の大きさ)は細かいほうが良い。 ※参考資料『鈴木啓一(2014)ブタの科学 朝倉書店』
異常豚肉
●PSE(pale soft exudative) ・色が淡く、筋肉が軟質な感じを与え、肉汁の滲出しやすい豚肉。 ・筋線維の微細構造が崩壊し、光が表面で反射しやすくなることにより白く見え、組織構造の崩壊のため軟質となり、また肉汁がしみ出しやすくなる。 ・1970年代に行われた、赤肉を多くし脂肪を減らすという極端な遺伝改良から多発した。 ・見栄えが悪いだけでなく、保存や加工品にも適さず、食味が劣るという欠点がある。 ・主に遺伝的要因によって発生することが明らかになり、その淘汰によって極度のものは減少したが、他の要因による中程度の発生が問題となっている。 ・他の要因としては、と蓄前~と蓄時のストレスや栄養、と蓄後のと体処理などがある。 ・筋肉中に蓄えられたグリコーゲン含量が高いとなりやすい。 ●DFD(dark firm dry) ・色が濃く、しまって、乾燥した感じの豚肉。 ・組織が密着するため、光が内部まで通過してデオキシミオグロビンが見え、暗く濃く見えるが、組織はしっかりしているので、保水性がよく多汁。 ・筋肉中に蓄えられたグリコーゲン含量が低いとなりやすい。 ●軟脂豚 ・冷蔵状態において脂肪が軟らかいものを軟脂豚といい、スライス時や加工品製造時に欠点が現れる。 ・軟脂は硬度と融点が低く、飽和脂肪酸が少なく、多価不飽和脂肪酸が多い。 ・軟脂の大半は、飼料中のリノール酸などの多価不飽和脂肪酸が体脂肪中に移行・蓄積するために起こる現象。 ・軟脂を防止するには、飼料中の粗脂肪含量を減らすこと、さらに多価不飽和脂肪酸を出来る限り減らすことである。 ※参考資料『鈴木啓一(2014)ブタの科学 朝倉書店』
機能性食肉
・脂肪は、飼料由来の脂質や炭水化物から体内合成される。 ・脂肪組織は飼料の影響を敏感に受けている。 ・一般的に多価不飽和脂肪酸は体脂肪に蓄積しやすくDHAやEPAといった脂肪酸を豚肉中に多く蓄積させることもできる。 ※参考資料『鈴木啓一(2014)ブタの科学 朝倉書店』