肉用牛のアニマルウェルフェア向上のための管理方法についてメモ書きしています。
※参考資料
公益社団法人 畜産技術協会:アニマルウェルフェア
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
- 防疫措置と衛生管理
- 肉用牛の健康管理
- 温度環境
- 照明
- 空気の質
- 騒音
- 栄養(飼料、水)
- 床と寝床の表面や屋根の状態
- 社会的な環境
- 飼養密度
- 外敵(野生動物)からの保護
- 離乳
- 正常行動等の発現を促すための工夫
- 除角
- 去勢
防疫措置と衛生管理
・作業用長靴の洗浄
・消石灰の散布
・消石灰の散布
肉用牛の健康管理
・牛の蹄は、起立や伏臥を正常に行うために重要な部分なので、日常的に観察し、定期的に削蹄する。
・起立不能牛等で治療を行っても回復する見込みが無い場合は、安楽死の処理を検討する。
・起立不能牛等で治療を行っても回復する見込みが無い場合は、安楽死の処理を検討する。
温度環境
・牛にとって暑すぎる場合は、呼吸数の増加、食欲の減退や繁殖・肥育成績の低下が見られる。
このような行動・現象が観察される場合は、直射日光を防ぎ、大型扇風機による送風、屋根への散水、細霧システムの導入、涼しい夜間に給餌する等の暑熱対策を行い、可能な限り牛の体感温度の低下に努めることとする。
・気象の急激な変化や暑熱・寒冷ストレスに注意し、パンティング(熱性過呼吸)や震え等の行動が生じた場合には原因を特定し、ストレスを軽減できるように対処する。
このような行動・現象が観察される場合は、直射日光を防ぎ、大型扇風機による送風、屋根への散水、細霧システムの導入、涼しい夜間に給餌する等の暑熱対策を行い、可能な限り牛の体感温度の低下に努めることとする。
・気象の急激な変化や暑熱・寒冷ストレスに注意し、パンティング(熱性過呼吸)や震え等の行動が生じた場合には原因を特定し、ストレスを軽減できるように対処する。
照明
・肉用牛の行動に影響を与えない明るさを保つ。
空気の質
・空気の質の低下は、呼吸の不快性や呼吸器病のリスクの要因となるため、適切な換気等を行う。
・空気の質には、ガス、塵、微生物が関係しており、飼育密度、牛の体格、床・寝床・糞尿の管理状態、建物構造、換気システムに依存している。
特に、アンモニア濃度が高い場合には、それ以外の要因も考えられるので、原因を特定し、対応する。
・空気の質には、ガス、塵、微生物が関係しており、飼育密度、牛の体格、床・寝床・糞尿の管理状態、建物構造、換気システムに依存している。
特に、アンモニア濃度が高い場合には、それ以外の要因も考えられるので、原因を特定し、対応する。
騒音
・牛は、臆病な動物であり、過度な騒音は、摂食量の減少による生産性の低下や牛が驚くことにより生じる事故を招くおそれがある。
・ストレスを抱えたり、恐怖を覚えたりしないように突発的な音や大きすぎる音を避ける。
・ストレスを抱えたり、恐怖を覚えたりしないように突発的な音や大きすぎる音を避ける。
栄養(飼料、水)
・農場に合った給餌器の幅や給水器の設置数等を検討し、不要な闘争等が起こらないように配慮する。
・粗飼料の給与量が少ない場合、消化器系の不調(アシドーシス、鼓腸、肝臓腫瘍、蹄葉炎)のリスク要因となることがあるので注意する。
舌遊び行動は、粗飼料不足の一つの指標で、この行動が見られた場合には注意する。
※アシドーシス
酸性血症ともいう
※鼓腸
腸内にガスが充満して、腹部のふくれる症状。
・粗飼料の給与量が少ない場合、消化器系の不調(アシドーシス、鼓腸、肝臓腫瘍、蹄葉炎)のリスク要因となることがあるので注意する。
舌遊び行動は、粗飼料不足の一つの指標で、この行動が見られた場合には注意する。
※アシドーシス
酸性血症ともいう
※鼓腸
腸内にガスが充満して、腹部のふくれる症状。
床と寝床の表面や屋根の状態
・排水のよい快適な休息場所を提供する。
・全面が過度に湿っていたり、糞尿がたまっていたりする状態は、疾病や怪我の原因にもなるので、改善することが必要。
・立っている状態から寝ている状態になるまでの所要時間は、快適性評価の指標となる。10秒以上かかる場合は問題があると判断される。
・全面が過度に湿っていたり、糞尿がたまっていたりする状態は、疾病や怪我の原因にもなるので、改善することが必要。
・立っている状態から寝ている状態になるまでの所要時間は、快適性評価の指標となる。10秒以上かかる場合は問題があると判断される。
社会的な環境
・牛の群内で確立される社会的順位を理解し、混群による過剰な闘争等の危険性を避けるようにする。
飼養密度
・飼養密度が高い場合は、怪我等の発生、増体や飼料効率の低下等の原因となり、通常の行動(移動、休息、摂食、飲水等)にも支障をきたすので注意する。
外敵(野生動物)からの保護
・疾病に罹った状態や分娩時の母牛と子牛のような体力が弱った状態のときには、カラス等から目や肛門への攻撃を受けやすいため注意が必要。
・放牧時には、アブやサシバエ等の吸血昆虫からの防除を考慮することも必要。
・放牧時には、アブやサシバエ等の吸血昆虫からの防除を考慮することも必要。
離乳
・離乳は、子牛及び母牛にとってストレスとなるため、牛の生理特性等を十分に理解し、子牛及び母牛への影響が最小限となるように考慮して行う。
・離乳は、母牛との心理的関係の断絶、母牛からの世話行動の終了、液体飼料の絶食という3つの要因が重なり、子牛にとって大きなストレスとなる。
除角、去勢等を同時に実施して更にストレスがかかった場合、獲得免疫系が抑制されて、病気になる危険性が高まるので、十分に注意する。
・子牛の柵かじり行動は、吸乳等に関わる欲求不満から発現するので、この行動が見られた場合には飼養方式の見直しを検討する。
・離乳は、母牛との心理的関係の断絶、母牛からの世話行動の終了、液体飼料の絶食という3つの要因が重なり、子牛にとって大きなストレスとなる。
除角、去勢等を同時に実施して更にストレスがかかった場合、獲得免疫系が抑制されて、病気になる危険性が高まるので、十分に注意する。
・子牛の柵かじり行動は、吸乳等に関わる欲求不満から発現するので、この行動が見られた場合には飼養方式の見直しを検討する。
正常行動等の発現を促すための工夫
・身繕い器具の設置
・運動場の併設。繁留している牛を3日に一回程度引き運動したり、運動場を併設して利用させたりする。
・運動場の併設。繁留している牛を3日に一回程度引き運動したり、運動場を併設して利用させたりする。
除角
●除角の必要性
・牛の攻撃性を低下させ、不要なけがの発生や流産等を防ぐ。
牛は、飼料の確保や社会的順位の確立等のため、他の牛に対し、角突きを行うことがあり、けがの発生、流産等の原因となる。
また、けがやストレスによって肉質の低下に繋がることもある。
・牛の角によって、管理者が死傷するといった不慮の事故を防止する。
●除角を行う際の注意点
・獣医師等の指導の下、牛の健康状態をよく観察した上で離乳時期等と重ならないよう配慮する等、牛への過剰なストレスを防止する。
・除角の実施後は、牛を注意深く観察し、化膿等が見られる場合は、速やかに治療を行い、その実施方法を再度チェックする。
・牛の攻撃性を低下させ、不要なけがの発生や流産等を防ぐ。
牛は、飼料の確保や社会的順位の確立等のため、他の牛に対し、角突きを行うことがあり、けがの発生、流産等の原因となる。
また、けがやストレスによって肉質の低下に繋がることもある。
・牛の角によって、管理者が死傷するといった不慮の事故を防止する。
●除角を行う際の注意点
・獣医師等の指導の下、牛の健康状態をよく観察した上で離乳時期等と重ならないよう配慮する等、牛への過剰なストレスを防止する。
・除角の実施後は、牛を注意深く観察し、化膿等が見られる場合は、速やかに治療を行い、その実施方法を再度チェックする。
去勢
●去勢の必要性
・雄牛を去勢しないで肥育した場合、キメが粗くて硬い肉が生産される等、消費者に好まれない牛肉が生産される。
・去勢しない雄牛を群で飼養すると、牛同士の闘争が激しくなり、けがの多発や発育・肉質の低下が起こる。
●去勢を行う際の注意点
・獣医師等の指導の下、離乳時期と重ならないよう考慮する等、牛へのストレスの防止や感染症の予防に努める。
・去勢の実施後は牛をよく観察し、化膿等が見られる場合は速やかに治療を行う。
・雄牛を去勢しないで肥育した場合、キメが粗くて硬い肉が生産される等、消費者に好まれない牛肉が生産される。
・去勢しない雄牛を群で飼養すると、牛同士の闘争が激しくなり、けがの多発や発育・肉質の低下が起こる。
●去勢を行う際の注意点
・獣医師等の指導の下、離乳時期と重ならないよう考慮する等、牛へのストレスの防止や感染症の予防に努める。
・去勢の実施後は牛をよく観察し、化膿等が見られる場合は速やかに治療を行う。