流域管理、流域保全についてメモ書きしています。
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流域管理、流域保全 – 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア
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流域管理、流域保全とは
○流域管理
・河川の流れる地域全体に対して、当該地域内での水循環を健全な状態に保つための各種技術および施策のこと。
○流域保全
・森林、河川、生物等の流域の構成要素およびそれらの関係を保護または修復する各種技術および施策のこと。
・河川の流れる地域全体に対して、当該地域内での水循環を健全な状態に保つための各種技術および施策のこと。
○流域保全
・森林、河川、生物等の流域の構成要素およびそれらの関係を保護または修復する各種技術および施策のこと。
都市における水環境に関する問題
①都市型水害の多発、洪水被害の増大
・都市型水害では、他の地域で問題とならない降水量でも都市特有の事情によって水害が発生したり、発生した水害の被害が大きくなったりする。
・都市では、市街化に伴う保水機能の低下、畑作転換による農地などの遊水機能の低下、地下利用の増加などの都市特有の事情がある。
②水質汚濁の進行
・水質汚濁の進行は、河川生態系に直接的な悪影響を与える。
○汚濁負荷の種類
・生活雑排水・事業所排水による汚濁負荷。
・面源汚濁負荷(田畑やアスファルト等、地面由来の汚濁のこと)対策が不十分
・合流式下水道雨天時越流水問題
③平常時の河川流量の減少
・一部の河川では、下水道の普及に伴い、以前であれば流下していた生活排水等が下水道を通るようになったために、流量が減少している。
・流量の減少は、水質及び水環境の悪化だけでなく、火災・震災・災害時の水源喪失に繋がる可能性がある。
・国土交通省の環境共生・創造マスタープランでは、”流量の減少により、水環境の悪化が問題となっている河川等については、導水や下水高度処理水の上流への還元等を行い、河川流況の回復を図る”こととしている。
・地下水の利用による地下水位の低下と、農地等の市外化に伴う舗装面の増加による地下への雨水浸透量の減少によって、地下水から河川への湧水が減少または枯渇する問題も指摘されている。
④自然環境の劣化、親水機能の低下、水文化の喪失
・従来、河川は、治水及び利水の観点から整備されてきたため、流域管理は河川に生息する生物にとって必ずしも適切なものではなかった。
・画一的で機能重視の整備が実施された結果、河川から地域特性が失われるというケースもあった。
・都市型水害では、他の地域で問題とならない降水量でも都市特有の事情によって水害が発生したり、発生した水害の被害が大きくなったりする。
・都市では、市街化に伴う保水機能の低下、畑作転換による農地などの遊水機能の低下、地下利用の増加などの都市特有の事情がある。
②水質汚濁の進行
・水質汚濁の進行は、河川生態系に直接的な悪影響を与える。
○汚濁負荷の種類
・生活雑排水・事業所排水による汚濁負荷。
・面源汚濁負荷(田畑やアスファルト等、地面由来の汚濁のこと)対策が不十分
・合流式下水道雨天時越流水問題
③平常時の河川流量の減少
・一部の河川では、下水道の普及に伴い、以前であれば流下していた生活排水等が下水道を通るようになったために、流量が減少している。
・流量の減少は、水質及び水環境の悪化だけでなく、火災・震災・災害時の水源喪失に繋がる可能性がある。
・国土交通省の環境共生・創造マスタープランでは、”流量の減少により、水環境の悪化が問題となっている河川等については、導水や下水高度処理水の上流への還元等を行い、河川流況の回復を図る”こととしている。
・地下水の利用による地下水位の低下と、農地等の市外化に伴う舗装面の増加による地下への雨水浸透量の減少によって、地下水から河川への湧水が減少または枯渇する問題も指摘されている。
④自然環境の劣化、親水機能の低下、水文化の喪失
・従来、河川は、治水及び利水の観点から整備されてきたため、流域管理は河川に生息する生物にとって必ずしも適切なものではなかった。
・画一的で機能重視の整備が実施された結果、河川から地域特性が失われるというケースもあった。
流域管理、流域保全に関する環境技術
○治水工事
・洪水を防ぐ工事として、堤防の整備及び強化、河道掘削(川底を深くすること)・浚渫(しゅんせつ:底に溜まった汚泥等を取り除くこと)、護岸の改良がある。
一度に河川を流下できる水量を増やすことで、増水した分の水を海まで一気に排除してしまうという考え。
・洪水時の被害を最小限に留めるものとしては、遊水地(池)、防災調整池、放水路の設置がある。
遊水地(池)とは、河川からあふれた水を一時的に氾濫させておくための場所のことで、遊水地(池)より下流の市街地を守るために設けられる。
防災調整池は、森林等の自然環境を宅地等に開発することで失われた保水機能を補うために設けられる、緊急時のための設備である。
いずれも、浸水等の水害が発生すると被害が甚大となる地域から、水を遠ざけるという考えである。
○雨水浸透施設、雨水排除施設、雨水貯留施設
・雨水浸透ます及び雨水浸透型のアスファルトによる路面整備で、雨水の河川及び下水管への流入量を減らすことができる。
雨水が溜まりやすい低地部においては、雨水ポンプによる確実な排水が求められる。
・東京都のように、1970年以前に下水道整備を進めた都市では、合流式下水道(排水と下水が同じ管を通って下水処理場に接続している型式)が多い。
下水道の容量を超えた分の水は、処理されずに河川へ放流されるため、河川増水の原因となりうる。
そこで、雨水貯留施設、雨水貯留管、雨水滞水池等を整備し、雨水(または、雨水を含む下水)を一時的に貯蔵する方法が採用されている。
○河川水質の改善
・下水を高度に処理した水(再生水)を河川に導水する。
・各種水処理装置によって、河川自体を直接浄化する。
○雨水対策
・合流式下水道が多い地域では、雨天時の未処理下水(合流式下水道雨天時越流水)の放流による、水域の水質悪化が問題となっている。
この対策として、下水施設の処理能力増強、下水道幹線及び枝線の流下容量増強、雨水貯留施設および雨水貯留管の設置が実施されている。
○下水処理水の活用
・下水処理水を環境水として再利用するために、下水処理場への高度処理の導入が進んでいる。
高度処理によって得られた再生水(高度処理された下水処理水)は、支流等の住宅地を流れる小規模な川に導水されることがある。
○雨水の活用
・雨水浸透ます及び雨水浸透型のアスファルトによる路面整備で、地下水量の確保を図る。これにより、護岸や川底からの地下水の浸出を促し、河川水量を増加させる。
・貯蔵した雨水を適切な方法で処理し雑用水として利用することで、上水の使用量を削減することができる。
○河川周辺および河川敷の整備
・流域の緑地化及び、河川・護岸の環境配慮型のものへの改修工事。
・河川を利用して、地域に点在する公園等の緑地を結びつけて一つの大きな生態的ネットワークとする。
・河川敷については、環境及び防災機能の維持のために、市民参加によって保全方法及び利用方法を河川区域ごとに定める必要がある。(ゾーニング)
○水源林の保全
・水源林とは、降水の流出速度を緩める目的で保全される樹木のこと。
・水源林によって、上流に降った雨は一度に下流域へ流出することなく保持されるため、洪水を防ぐことができる。
また、保持された水は徐々に水源林周辺のダムや河川に流出するので、安定した河川水量の確保にも役立っている。
○ダム、河川の水質改善
・ダムにおける水質改善事業は、ダム湖底の浚渫(しゅんせつ:堆積した汚泥やゴミを取り除くこと)や、窒素やリン等の栄養塩除去が実施されている。
・河川における水質改善事業は、下水道整備のほか、微生物による水の浄化作用を活かした工事(浄化水路整備)や河川水質浄化施設による浄化事業も実施されている。
○無水区間の解消
・河川の中には、ダムからの出水時しか流水が無い、いわゆる”無水区間”のある河川が存在する。この区間では魚類が生息できない。
このような区間のある河川上流のダムに対して、事前放流用施設(小規模放流管)を増設するなどの総合的なダム機能の向上が図られている。
○浄化水路整備
・浄化水路とは、自然浄化能力を利用した水路のことで、河川改修等によりコンクリート化や暗渠(あんきょ:地上から見えない水路)化が進んだ河川・水路等に対して、れき等を利用して整備するもの。
・浄化水路は動植物の良好な生育環境となるため、河川生態系の維持・回復に役立つ。
・洪水を防ぐ工事として、堤防の整備及び強化、河道掘削(川底を深くすること)・浚渫(しゅんせつ:底に溜まった汚泥等を取り除くこと)、護岸の改良がある。
一度に河川を流下できる水量を増やすことで、増水した分の水を海まで一気に排除してしまうという考え。
・洪水時の被害を最小限に留めるものとしては、遊水地(池)、防災調整池、放水路の設置がある。
遊水地(池)とは、河川からあふれた水を一時的に氾濫させておくための場所のことで、遊水地(池)より下流の市街地を守るために設けられる。
防災調整池は、森林等の自然環境を宅地等に開発することで失われた保水機能を補うために設けられる、緊急時のための設備である。
いずれも、浸水等の水害が発生すると被害が甚大となる地域から、水を遠ざけるという考えである。
○雨水浸透施設、雨水排除施設、雨水貯留施設
・雨水浸透ます及び雨水浸透型のアスファルトによる路面整備で、雨水の河川及び下水管への流入量を減らすことができる。
雨水が溜まりやすい低地部においては、雨水ポンプによる確実な排水が求められる。
・東京都のように、1970年以前に下水道整備を進めた都市では、合流式下水道(排水と下水が同じ管を通って下水処理場に接続している型式)が多い。
下水道の容量を超えた分の水は、処理されずに河川へ放流されるため、河川増水の原因となりうる。
そこで、雨水貯留施設、雨水貯留管、雨水滞水池等を整備し、雨水(または、雨水を含む下水)を一時的に貯蔵する方法が採用されている。
○河川水質の改善
・下水を高度に処理した水(再生水)を河川に導水する。
・各種水処理装置によって、河川自体を直接浄化する。
○雨水対策
・合流式下水道が多い地域では、雨天時の未処理下水(合流式下水道雨天時越流水)の放流による、水域の水質悪化が問題となっている。
この対策として、下水施設の処理能力増強、下水道幹線及び枝線の流下容量増強、雨水貯留施設および雨水貯留管の設置が実施されている。
○下水処理水の活用
・下水処理水を環境水として再利用するために、下水処理場への高度処理の導入が進んでいる。
高度処理によって得られた再生水(高度処理された下水処理水)は、支流等の住宅地を流れる小規模な川に導水されることがある。
○雨水の活用
・雨水浸透ます及び雨水浸透型のアスファルトによる路面整備で、地下水量の確保を図る。これにより、護岸や川底からの地下水の浸出を促し、河川水量を増加させる。
・貯蔵した雨水を適切な方法で処理し雑用水として利用することで、上水の使用量を削減することができる。
○河川周辺および河川敷の整備
・流域の緑地化及び、河川・護岸の環境配慮型のものへの改修工事。
・河川を利用して、地域に点在する公園等の緑地を結びつけて一つの大きな生態的ネットワークとする。
・河川敷については、環境及び防災機能の維持のために、市民参加によって保全方法及び利用方法を河川区域ごとに定める必要がある。(ゾーニング)
○水源林の保全
・水源林とは、降水の流出速度を緩める目的で保全される樹木のこと。
・水源林によって、上流に降った雨は一度に下流域へ流出することなく保持されるため、洪水を防ぐことができる。
また、保持された水は徐々に水源林周辺のダムや河川に流出するので、安定した河川水量の確保にも役立っている。
○ダム、河川の水質改善
・ダムにおける水質改善事業は、ダム湖底の浚渫(しゅんせつ:堆積した汚泥やゴミを取り除くこと)や、窒素やリン等の栄養塩除去が実施されている。
・河川における水質改善事業は、下水道整備のほか、微生物による水の浄化作用を活かした工事(浄化水路整備)や河川水質浄化施設による浄化事業も実施されている。
○無水区間の解消
・河川の中には、ダムからの出水時しか流水が無い、いわゆる”無水区間”のある河川が存在する。この区間では魚類が生息できない。
このような区間のある河川上流のダムに対して、事前放流用施設(小規模放流管)を増設するなどの総合的なダム機能の向上が図られている。
○浄化水路整備
・浄化水路とは、自然浄化能力を利用した水路のことで、河川改修等によりコンクリート化や暗渠(あんきょ:地上から見えない水路)化が進んだ河川・水路等に対して、れき等を利用して整備するもの。
・浄化水路は動植物の良好な生育環境となるため、河川生態系の維持・回復に役立つ。