遺伝子組み換え作物が有機農家へ与える影響、有機農業との比較、に関する情報をメモ書きしています。
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遺伝子組み換え作物による汚染
・消費者は有機作物には遺伝子組み換え作物が含まれていないことを期待。遺伝子組み換え作物に汚染されてしまうと、有機農産物基準に違反することにならなかったとしても、消費者や小売、加工業者から拒否される可能性がある。 ・農家と食品加工業者は自分たちの製品が遺伝子組み換えでないことを証明するための検査費用を負担している。 ※参考情報『アンドリュー・キンブレル(2009)それでも遺伝子組み換え食品を食べますか? 筑摩書房』
Bt菌耐性害虫の出現
※以下の記事も参照。
害虫抵抗性作物
害虫抵抗性作物
・Bt菌は有機農家も殺虫剤として使用しているが、狭い範囲に必要なだけ散布して使っているので、害虫が耐性を持つ可能性は低い。 ところが遺伝子組み換え作物の場合は、大規模な畑で育てられ、作物の全体で常時、殺虫成分が作り出されるので、害虫が耐性を持つ可能性が高くなる。 Bt菌に耐性を持つ害虫が現れると、有機農家にとっては害虫を駆除する代替方法がすぐに見つかるわけではないので致命的になる恐れがある。合成化学殺虫剤を使用せざるをえなくなるかもしれない。 ※参考情報『アンドリュー・キンブレル(2009)それでも遺伝子組み換え食品を食べますか? 筑摩書房』
不耕起栽培
※以下の記事も参照。
・有機農業の基礎知識(堆肥、緑肥、土作り)の”土の耕し方”
・有機農業の基礎知識(全般)の”耕種法”
・有機農業の基礎知識(堆肥、緑肥、土作り)の”土の耕し方”
・有機農業の基礎知識(全般)の”耕種法”
・有機法は除草剤の使用を禁止しているため、有機農家は雑草を管理するために頻繁に耕起を行う場合が多い。 ●耕起のメリット、デメリット ・耕起には、雑草の種子を土壌深部に移動させたり、雑草の根系を破壊することにより除草効果がある。 ・耕起は土壌水分を保持しないことを考慮すると、マルチ(根覆い)やその他の手段によって除草ができるのなら必要ないと言える。刈株による被覆が、風と水による浸食を軽減することが明らかになった。 ・耕起は土壌浸食を引き起こす恐れがある。 耕起は、土壌を干上がらせてしまうだけでなく、土壌を浸食に曝し、二酸化炭素の形で炭素を放出させる。 土壌をかき回せば、炭素の消失は速まる。作物の遺残物を切り刻み、土に埋め、そしてかき回すと、遺残物に分解生物が接する新たな表面を作り続けることになるため、生物学的な活性が激しく現れる。 すると、もはや炭素を貯留してはおらず、一年分の遺残物を燃焼させてしまう。 ・耕起は、ゆっくりとプロセスを進行させることによって得られる土壌の優れた団粒構造を導くこともない。 ●不耕起栽培 ・有機質の代謝は、炭素が貯留されたままで起こる。 ・土が団粒構造で柔らかくなる。 ・雨や風などによる土壌流出の防御に有効。 ・除草剤耐性の遺伝子組み換え作物の場合、耕起せずに除草の管理ができるので、不耕起に切り替えることができる。 ※参考資料『ニーナ・フェドロフ(2013)食卓のメンデル 日本評論社』