ばいじん除去技術の概要

ばいじん除去技術、集じん技術についてメモ書きしています。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. ばいじんとは?
  2. ばいじんの種類と性質
  3. ばいじん除去技術、集じん技術
ばいじん除去技術、集じん技術

・ばいじん(煤塵)除去技術とは、ばいじん発生施設または装置から発生する含じんガスから、粒子状物質を除去する技術のこと。
 
・ばいじんは、集じん装置(ばいじん除去装置)によって処理される。
 集じん装置は、その集じんの方式によって、重力式、慣性式、遠心式、洗浄式、ろ過式、電気式の6種類に大きく分類することができる。
 
※参考サイト
ばいじん除去技術 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

 

●集じんとは?
 
・処理ガス中に含まれる粒子を分離・捕集する操作。
・集じんの対象となるものには、燃焼過程から発生するばいじんのほか、粉砕等機械的操作に伴って発生する粉じんもある。
 
●集じん装置の種類、概要
 
・集じん装置は、重力、慣性力、拡散力、熱力、電気力などを利用しており、以下の種類がある。
 
①重力集じん装置
・ガス流中の粒子を、重力により沈降させて分離する装置。
・単純な粒子の重力落下現象を利用するもので、比較的大きな粒子の集じんに利用される。
  
②慣性力集じん装置
・ガス流の方向を変えて、粒子を慣性で分離する装置。
・衝突型(多段型、迷路型など)と反転型(逆転型、曲管型、ルーバー型など)がある。
 
③遠心力集じん装置
・ガス流を高速な旋回流とし、粒子に作用する遠心力によってガス中の粒子を分離捕集する装置。
・代表的な装置はサイクロンで、粉体を取り扱う種々の工場での粉体分離や排煙中の粒子状物質の除去などに幅広い分野で使用されている。
 
④洗浄集じん装置
・液体(水)とガスを接触させ、ガス中の粒子を除去する装置。
・潮解性がある粒子や、粉じん爆発の危険性がある金属粉を含む粒子などの除去に利用されている。
・排ガス中に液体をスプレーする方式、充填塔を使用する方式、ベンチュリー・スクラバーによる形式などがあるが、液体(水)とガスを接触させるという基本的な単位操作を集じんに利用したものである。
 
⑤ろ過集じん装置
・フィルタにより流体中の浮遊粒子をろ過する装置。
・バグフィルタ、セラミックフィルタなどがある。
 
⑥電気集じん装置
・直流高電圧によるコロナ放電を利用して、含じんガス中の粒子を荷電し、静電引力によって対面する集じん極に沈着させる。
・電気集じん機は、バグフィルタと比べ、当初の設備費は高いが、バグフィルタで必要なろ布の交換などの維持費、高い圧力損失を補うための動力費などが不要であり、ランニングコストが低いこと、また、大量の排ガス処理に適していることなどから、事業用ボイラなどの大型装置に適用されている。
 
※参考資料『三菱化学テクノリサーチ 平成25年度産業公害防止対策等調査事業(我が国の産業公害の克服に活用された技術に関する調査) 経済産業省産業技術環境局環境指導室』

ばいじんとは?

・ばいじんは、大気汚染防止法では、"燃料、その他の物の燃焼、または熱源としての電気の使用に伴い発生する物質"と定義されている。
 具体的には、石油や石炭を燃料とするボイラー、自動車や発電用のディーゼルエンジン、廃棄物焼却炉などから排出される粒子状物質で、灰分、金属、未燃の炭素や有機物などである。
 
・ばい煙(燃料その他の燃焼に伴い発生する硫黄酸化物、ばいじん、有害物質の総称)を発生させている施設の内訳は、60%以上をボイラーが占めており、ディーゼル機関が15%で続いている。
 
※参考サイト
ばいじん除去技術 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

 

●大気中の粒子状物質、ばいじん、粉じん
 
・大気中の粒子状物質は、"降下ばいじん"と"浮遊粉じん"に大別される。
・工場・事業場等の事業活動によって発生するもの以外にも、自動車の走行により発生するもの、風などの自然環境によるものなどがある。
・事業場等から発生するものについては、大気汚染防止法により、"ばいじん"と粉じんとして規制されている。
 
○ばいじん
・燃料その他の物の燃焼または熱源としての電気の使用に伴い発生する物質。
 
○粉じん
・物の粉砕、選別、その他の機械的処理または堆積に伴い発生し、または飛散する物質。
 
※参考資料『三菱化学テクノリサーチ 平成25年度産業公害防止対策等調査事業(我が国の産業公害の克服に活用された技術に関する調査) 経済産業省産業技術環境局環境指導室』

ばいじんの種類と性質

・ばいじんは、粒径が小さく軽いので、大気中に放散されると滞留して大気を汚染し、視界を妨げる。
 
・工場での石油・石炭等の燃焼により発生するほか、自動車などのディーゼルエンジンから排出される"ディーゼル排気微粒子"(DEP)もばいじんに含まれる。
 
注)ディーゼル排気微粒子"(DEP)
炭素と灰分から成る固体粒子の集合。未燃燃料、潤滑油、不完全燃焼生成物、熱分解生成物などが含まれ、粒径は0.1~0.3μm程度。
 
○大気中の粒子状物質(PM:Particulate Matter)の分類
 
・大気中のPMには、ばいじん(燃焼によって発生するもの)、粉じん(物の破砕や選別に由来するもの)といった人為起源のもの以外にも、黄砂や火山灰など、自然起源のものがある。
 また、大気中の光化学反応等により、NOxなどのガス状物質から二次的に生成されることもある。
 
・PMのうち、粒径が10μm以下のものを"浮遊粒子状物質(SPM)"といい、ディーゼル排気微粒子(DEP)、大気中で生成する光化学オキシダントがこれに該当する。
 また、これら人為起源のものだけでなく、花粉や、黄砂、火山灰など、自然起源によるものもある。
 
○浮遊粒子状物質(SPM)の健康への影響
 
・長期間にわたって大気中に滞留するSPMは、ヒトの気道と肺胞に沈着して健康に有害な影響を与える。
 このため、大気中の濃度が環境基準として設定されている。
 
・近年では、さらに微細なPM2.5という、直径2.5μm以下の粒子についても、ぜん息などの呼吸器系疾患に影響があると考えられ、2009年に環境基準が定められた。
 
※参考サイト
ばいじん除去技術 - 環境技術解説|環境展望台:国立環境研究所 環境情報メディア

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