上水道システムの概要

上水道システムの概要についてメモ書きしています。

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  1. 水道システムの構成要素
  2. 取水施設
  3. 水道橋
  4. 給水方式
  5. 浄水処理の流れ
  6. 消毒
  7. 消火栓、どろ吐き管
水道システムの構成要素

○貯水池
 
○取水堰、取水塔
・導水管路
 
○浄水場
・送水管
・凝集沈殿槽
・濾過槽
・オゾン接触槽、活性炭吸着槽
・塩素消毒
 
○配水所、給水所、ポンプ所
・配水管
 
※参考資料『長澤靖之(2012)上下水道が一番わかる 技術評論社』

 

○水源林
・森林に降り注いだ雨を一時的に蓄え、長時間にわたってほぼ一定に流出させる。
 
○ダム
・降水量の季節変動や水道需要の変動に応じて河川流量を調節する。
 
○取水堰
・原水を取り入れるために、河川流量の変化に注意しながら、取水量を総合的に管理する役目を果たす。
 
○取水塔
・河川水や貯水池などの水面・水深の比較的安定した水源から大規模に取水するときに採用される形式
 
○導水路(導水管)
・取り込んだ河川水を浄水場まで導水する管路。
 
○浄水場
・河川などから取り込んだ水を、水質基準に適合した水道水に処理する。
 
○送水管
・浄水場できれいになった水を給水所まで送水する管路
 
○給水所
・浄水場から送られてきた水を溜めて、水を配る施設。
・水道使用量の時間的変動を調整する。
 
○配水管
・給水所から配水区域に水を配る配管。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

取水施設

○取水堰
・河川水をかさ上げし、計画水位を確保することにより、安定した取水を可能とするため、河川を横断して設けられる施設であり、堰本体取水口・沈砂池等が一体となって機能する。
・安定した取水と沈砂効果が大きいことが特徴。
 
○取水塔
・河川の水深が一定以上の所に設置すれば、年間の水位変化が大きくても安定した取水が可能。
・取水口を上下数段に設けて選択取水ができる。
 
○取水門
・取水施設でスクリーン、ゲートまたは、角落とし、砂溜などと一体となって機能する。
・渇水時、洪水時等のとき、取水量確保に難点がある。
 
○取水管渠
・取水口部を複断面河川の低水護岸に設けて表流水を取水し、管渠部を経て堤内地に導水する。
・水位変動の少ない河川に適する。
 
○取水枠
・湖沼の中小量取水施設として多く用いられている。
・水中に没して設けられるため、湖沼表面の水は採取できない。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

水道橋

・水道橋とは、主に河川などの上を横断する水道管のこと。
・水道管を主体とする上部構造と、橋台、橋脚を主体とする下部構造から構成される。
 
○単純支持形式(パイプビーム形式)
・水道管をそのまま梁とする一般的なシンプルな水道橋。
 
○連続支持形式
・多柱間の場合に、通水管を2支間以上連続して支持する形式。
 
○トラス補剛形式
・剛性を増すために水道管を上弦材または下弦材に使用し、これに斜材などの骨組を加えてワーレントラス形式としたもの。
・水道管2条の場合は、三角トラスまたは四弦トラス形式とし、水道管が1条の場合は、逆三角トラス形式となる。
 
○固定アーチ補剛形式
・水道管を放物線または円弧アーチとして、両端を橋台により固定した形式
 
○アーチ補剛形式
・水道管を補剛アーチ橋の補剛桁に利用し、アーチ形に弦材の格点から鉛直吊材または斜吊材により、水道管を吊った形式。
 
○斜張橋形式
・トラスなどで補剛された水道管を主桁に利用し、2径間または3径間の連続した主桁の中間橋脚に塔から斜めに張ったケーブルにより主桁を支持した形式。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』』

給水方式

○直圧直結方式
・配水管の水圧で蛇口まで直接給水。
・給水できる階層は、水圧の関係で建物の3階程度。
 
○増圧直結方式
・給水管の途中に増圧ポンプを設けて、圧力を増して給水。
・停電時の対策や増圧設備の維持管理が発生する。
 
○受水タンク方式
・受水タンクに貯留し、受水タンクから給水ポンプで直送するか、高架水槽または高置水槽に揚水し、重力で給水する方式。
・条例で、年1回以上の受水タンクの清掃、点検が義務付けられている。
 
※参考資料『長澤靖之(2012)上下水道が一番わかる 技術評論社』

 

●直結給水
 
○3階までの直圧給水方式
・主に一般家庭への給水方式で、配水管の水圧で3階まで直圧給水する方式。
 
○増圧直結給水方式
・給水管に増圧ポンプを設置し、水圧の不足分を増圧して、中高層階まで直結給水する方式。
 
○貯水槽水道方式
・水をいったん受水槽に溜めて、その後ポンプを使って屋上の高置水槽へくみ上げ、自然流下により給水する方式。(受水槽もしくは高置水槽の片方だけを設置する場合もある)
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

浄水処理の流れ

●浄水処理の流れ
 
○着水槽
・スクリーンでゴミや土砂が取り除かれる
 
○攪拌池
・懸濁物を取り除くため、攪拌池に入り凝集剤を添加される。
・原水には、プランクトン、藻類、不溶性の有機物や地質に由来するコロイド状の懸濁物が多く浮遊している。
 これらはマイナスに荷電していて、粒子同士が反発しあっているため、比重のある砂礫や砂のように沈殿だけでは取り除くことができない。
・プラスの荷電をした凝集剤が浮遊物と反応して中和状態になり、反発をなくす効果がある。
 
○フロック形成池
・ゆっくりと攪拌しながら凝集剤と水中の懸濁物が結合し、フロック化
 
○凝集沈殿池
・フロックや微細な砂類を沈殿させ、上澄み水を濾過池へ。
・沈殿した汚泥は、汚泥濃縮槽に送られる。
 汚泥濃縮槽で濃縮された汚泥は、天日乾燥方式や機械脱水方式により、含水率を下げる。
 
○濾過池
・砂等を層状に敷いた構造で、微細な浮遊物を除去する。
・長期間濾過を続けると濾材の表面や濾材空隙が浮遊物による目詰まりを起こすので、この場合、濾過層の表面の浮着物をかきとったり、下から上に向けた激しい水流で濾材を洗浄する。
・濾過する水の流速の違いにより"緩速濾過方式"と"急速濾過方式"に分けられる。
・濾材の違いにより、砂だけの"単層濾過方式"や砂とアンスラサイト(石炭を砕いたもの)の"複層濾過方式"に分けられる。
・水の流れが上、下方向の違いによる"下向流濾過方式"と"上向流濾過方式"がある。
 
○塩素混和池
・消毒のために塩素を注入して混和
 
○配水所
 
●高度浄水処理の流れ
 
・一時期、水道水が原水に起因する藻類やカビ臭が問題となったが、高度処理で対処されている。
・高度浄水処理施設とは、通常の浄水処理方法では十分に対応できない臭気物質、トリハロメタン前駆物質、色度、アンモニア性窒素、陰イオン界面活性剤などの処理を目的として導入する活性炭処理施設、オゾン処理施設および生物処理施設をさす。
 
○着水槽~濾過池
・上記"●浄水処理の流れ"と同様。
 
○オゾン接触池
・オゾンに接触させ、微量の懸濁物を酸化分解
・オゾンの強力な酸化力でジオスミンや2-MIBなどのかび臭の原因物質の分解、処理水の着色原因であるフミン質の分解、トリハロメタン前駆物質を分解し、活性炭に吸着されやすくする。
 
○活性炭吸着池
・活性炭が充填された槽を通過させる
・活性炭処理は、粒状活性炭のほか、吸着作用と活性炭の粒が細孔構造で微生物繁殖に適している特徴を生かした臭気物質、トリハロメタン前駆物質や農薬などの除去に効果がある。
 
○塩素混和池
・消毒のために塩素を注入して混和
 
○配水所
 
※参考資料『長澤靖之(2012)上下水道が一番わかる 技術評論社』

 

●浄水場のフロー(一般的な急速ろ過の場合)
 
○取水塔
・川やダムからの水を浄水場に取り入れる。
 
○沈砂池
・大きな砂や土を沈める。
 
○取水ポンプ
・着水井に水を汲み上げる。
 
○着水井
・取り入れた水の水位や水量を調整する。
 
○薬品混和池
・水に混ざっている細かな砂や土を沈めるために、凝集剤を入れる。
 
○フロック形成池
・フロック(細かい砂や土などに凝集剤がくっついて大きな塊になったもの)が壊れず成長するようにゆっくり攪拌する。
 
○沈殿池
・大きくなったフロックを沈める。
 
○ろ過池
・微細なフロックを砂や砂利の層でこしてきれいにする。
・アンモニア態窒素や鉄などを取るため、塩素を注入
 
○配水池
・塩素で消毒
・きれいになった水を溜める。
・浄水場から送られてくる水と、配水量との調節をする。
→浄水施設には毎時一定量の浄水が送水されてくるが、配水量には時間変化があるので、使用水量が減少する夜間は配水地に蓄えて、使用水量が増加する昼間は、浄水場からの送水量を上回る配水量を配水池から流出させる。
 
○送水ポンプ
・配水池から給水所に水を送る。
 
●浄水汚泥
 
・汚泥は、原水中に含まれる"にごり"と浄水処理において添加する凝集剤等が混ざったもの。
・浄水汚泥は、その性状を活かした土壌改良剤、植木用土等に利用されてきたが、最近では土壌改良剤の需要が減少しているため、産業廃棄物として処分する量が増加しつつある。
 
○処理の流れ
 
・沈殿池、ろ過池
沈殿池に沈んだフロックやろ過池の洗浄排水として汚泥が発生する。
 
・汚泥池
汚泥が固まらないように常にかき混ぜている。
 
・濃縮槽
汚泥池から汚泥を引き抜いて濃縮する
 
・加圧・脱水
濃縮した汚泥を機会で加圧して脱水する。
 
・乾燥
汚泥を天日乾燥床にいれて、太陽の光で3~4ヶ月乾燥させたものを天日乾燥汚泥という。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

消毒

○消毒の必要性
・多くの細菌類は、凝集沈殿と濾過を経ると除去されるが、ウィルスや病原性細菌の一部は残留する可能性があるため、これらを死滅させる目的で消毒を行う。
 
○塩素による消毒の特徴
・水量変動にも対応し、注入量の増減が可能で残留効果がある。
・水中の窒素と反応し、発ガン・催奇形性があるトリハロメタンが発生するとの指摘がある。
・フェノール類と反応し、臭気を発するクロロフェノールが発生。
・残留塩素は、水生動物への毒性が大きい。
 
○オゾンによる消毒の特徴
・酸化力による殺菌力が強力。一方、残留性は少ない。
・有機物分解、異臭味や色度の分解、ウィルス不活性化の効果がある。
・活性炭との組合せで効果大。
・残留オゾンは、短期間で酸素へ変化し、水生動物への毒性が少ない。
 
○紫外線照射による消毒の特徴
・残留効果がなく、濁度や浮遊物の存在が効果を落とす。
・水生動物への毒性が無い。
 
※参考資料『長澤靖之(2012)上下水道が一番わかる 技術評論社』

 

●クリプトスポリジウム対策
 
・クリプトスポリジウム症とは、クリプトスポリジウムと呼ばれる小腸に寄生する原虫によって起きる病気。
・症状は激しい水様性の下痢と腹痛。
・通常は1~2週間で自然治癒するといわれているが、乳幼児や高齢者では重篤化、長期化することがある。
・クリプトスポリジウムは宿主の体外では厚い壁で内部が覆われていて、塩素等の消毒剤がうまく効かない。
・指標菌の検出状況と水源の状況により区分分けされ、検査とろ過で対策する。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

消火栓、どろ吐き管

●消火栓
 
・消火栓は、配水支管に設置することとなっている。
・設置間隔は、建築物の間隔や消防ホースの長さから、100~200mとしている。
 
●どろ吐き管(排泥管)
 
・水道管を布設した時に管の底に残る泥や砂などを排出させることや、平素の維持管理での管内清掃や停滞水などを排除する目的がある。
 
※参考資料『高堂彰二(2011)トコトンやさしい水道の本 日刊工業新聞社』

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