乳牛の後代検定と牛群検定

乳牛の後代検定と牛群検定の概要をメモ書きしました。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 乳用種雄牛の後代検定の概要
  2. 牛群検定の概要
乳用種雄牛の後代検定の概要

●概要
 
・遺伝的に優れた能力を有することが科学的に証明された種雄牛(検定済種雄牛)を計画的に作りだし、その広域的な利用を促進するための事業。
 
・個体の遺伝的能力をその子供(後代)の検定記録から推定する方法を後代検定といい、これは乳用牛の雄の泌乳能力のように個体そのものでは測定できない形質について選抜を行う場合に有用な検定方法。
 
●仕組み
 
①候補種雄牛を選ぶ
 
②娘牛(後代)を生産する
・候補種雄牛の精液は、雌牛にランダムに交配され、生まれてくる娘牛はその農家に保留されて泌乳記録と体型審査記録等が得られる。
 
③娘牛の記録から遺伝的能力を評価する
・検定農家から得られたこれらの記録は、家畜改良センターに送られ、種雄牛の遺伝的能力評価が実施される。
・発表された評価成績によって候補種雄牛の中から選抜されたものだけが、検定済種雄牛として一般に広く利用される。
 
④評価値を活用する
・発表された評価成績や評価についての詳細は、後代検定事業関係者や大学、研究機関等に配布され、交配指導や学術関連資料等として活用される。
 
●後代検定の欠点
 
・乳牛の検定法として、候補若雄牛の娘牛の検定が終了するまでに5~6年を要し、必然的に世代間隔が長くなるという短所がある。
 
・肉牛に関しても後代が屠殺されるまでに長期間を要する。

牛群検定の概要

●牛群検定とは
 
・月に1度、検定員が酪農家の搾乳に立会し、各乳牛の搾乳量、乳成分、繁殖状況、飼料など詳細なデ-タを収集し、そのデ-タから経営に役立つ主に以下の4つの情報を酪農家に還元する事業。
①飼養(健康)管理
②繁殖管理
③乳質、衛生管理
④遺伝的改良
 
●牛群検定と後代検定の関係
 
・後代検定は、牛群検定デ-タを土台に乳牛の遺伝的能力を明らかにして、優秀な種雄牛を作出する。
 
・遺伝的能力は雌牛についても計算され、家畜改良事業団により全国の検定農家に還元される。

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