害虫抵抗性作物

害虫抵抗性作物についての情報をメモ書きしています。

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  1. Bt(バチルス・チューリンゲンシス)菌
  2. 害虫抵抗性作物の影響
Bt(バチルス・チューリンゲンシス)菌

※Bt菌、Bt剤については以下の記事も参照。
・有機農業の基礎知識(病害虫防除)の”生物的防除”
害虫防除の概要の”殺虫剤の分類”

・土壌にいる微生物の一種。
・ガなどを殺す作用を持っているが、哺乳類や鳥類には無害。
・生物農薬として有機農業でも殺虫剤として使われている。
・長い間、Bt菌をそのまま殺虫剤に入れて使用してきたが、効果が持続しないため、頻繁に散布する必要があった。
 植物の体内でBt毒素の遺伝子を発現させる遺伝子組み換え作物によって殺虫剤の使用量を減らすことができる。
 
※参考情報『小島正美(2015)誤解だらけの遺伝子組み換え作物 エネルギーフォーラム』

害虫抵抗性作物の影響

※以下の記事も参照。
遺伝子組み換え作物の有機農家への影響、有機農業との比較の”Bt菌耐性害虫の出現”

●Bt作物
 
・バチルス・チューリンゲンシス菌(Bt菌)という土壌菌の遺伝子を導入して、作物が自ら殺虫成分をつくりだすようにした作物。
・Bt作物が広く栽培されると、Bt菌に抵抗性を示す害虫が増える可能性がある。
・害虫を食べてくれていた益虫も殺してしまう恐れがある。
 
※参考情報『アンディ・リーズ(2013)遺伝子組み換え食品の真実  白水社』

 

●Bt作物とBt毒素に耐性を持つ害虫
 
・Bt菌(バチルス・チューリンゲンシス菌)は、様々な害虫にとって有毒なタンパク質を作り出す。
 ただし、この菌を殺虫剤として作物に散布しても、太陽の光を浴びるとすぐに死滅するので危険性はほとんどない。Bt菌は天然の殺虫剤なので、化学農薬を使えない有機農家に使用されている。
 
・殺虫剤をときどき作物に散布するのと、食用の作物を自ら殺虫毒素を作り出す植物に変えてしまうのとでは大きく異なる。
 Bt作物は植物全体に絶えず殺虫剤をかけ続けた上、植物内部にまで殺虫剤を散布するのと同じ。
 農家が必要なときだけ農薬を散布する場合と比べて、Bt毒素を長期間に渡って作り出しているので、周囲に与える影響も大きい。害虫がBt毒素に耐性を持つのを早めるかもしれない。
→有機農家にも影響
 
・害虫抵抗性綿の畑で、本来標的としていた害虫とは別の害虫が増え始め、結局、殺虫剤を使うようになってしまったという事例もある。
 
※参考情報『アンドリュー・キンブレル(2009)それでも遺伝子組み換え食品を食べますか? 筑摩書房』

 

●Bt毒素に抵抗性を持つ害虫の出現
 
・適切に害虫防除を行うためには、Bt抵抗性を持たないBt感受性害虫およびその害虫の捕食者が生育できるように、近くに非Bt作物を害虫用の餌として一定程度確保し、抵抗性昆虫の出現頻度を低減しなければならない。
 上記使用条件を守らない農家もいる。
 遺伝子組み換えの問題というより農業実践の問題。他の遺伝子組み換えと関係の無い農薬でも同様。
 
※参考情報『小島正美(2015)誤解だらけの遺伝子組み換え作物 エネルギーフォーラム』

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