動物福祉上の問題点

動物福祉上の問題点についてメモ書きしています。
 
以下の記事も参照。
アニマルウェルフェアの概要と世界的状況
肉用牛のアニマルウェルフェア
乳用牛のアニマルウェルフェア
採卵鶏のアニマルウェルフェア
ブロイラーのアニマルウェルフェア
豚のアニマルウェルフェア

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 養豚
  2. 養鶏
  3. 獣医の役割
  4. 動物福祉上の問題点全般
養豚

●養豚(米国)
 
・大規模畜産経営体(CAFO)式の養豚場では、子豚は生まれてから10日以内で母豚から離乳させられる(自然では13週)。母乳より薬で強化した飼料で育てた方が早く肥るため。
 離乳の時期が早すぎると、豚は何かを吸いたいという欲求を持ち続け、目の前にいるほかの豚のしっぽをかじってその欲求をまぎらわす。
 これを防ぐために生まれてすぐに尾を切られてしまう。農務省は、尾をかじるという豚の悪習の解決策として、この断尾を推奨している。
 
※参考資料『マイケル・ポーラン(2009) 雑食動物のジレンマ 東洋経済新報社』

 

●豚の福祉上の問題点
 
・妊娠している雌豚の動きを制限するために鎖と首輪で拘束し、狭い檻(ソウ・ストール)にたくさん詰め込んでいる。豚同士の喧嘩も防げる。豚は互いを噛むどころか、向きを変えることもできない。
 
※参考資料『フィリップ・リンベリー(2015)ファーマゲドン 日経BP社』

養鶏

●工場式養鶏(米国)
 
・米国の動物保護法は、家畜には適用されず、鶏は悲惨な生活を送っている。"人道的なと畜法"でも保護されていない。
 
●品種改良
 
・この50年間で成長速度は4倍。7週間で目標体重になる。このような急速な成長は安い肉の大量生産を可能にしたが、鶏の方は、脚の障害や心臓疾患など大きな犠牲を強いられた。
 
・ひっくり返り症候群
突然ものすごい勢いで羽ばたき、鋭い鳴き声をあげながら体を震わせ、バランスを失って仰向けか横向きに倒れ、あっという間に死んでしまう。
 
・窮屈な空間(一羽あたりA4用紙一枚)と肥満のせいで、脚の障害はよく見られる。急速に成長するため、体の発達が体重増加に追いつかず、歩行困難になる。
 
・鶏が大きすぎるためか、心臓や肺の病気も多い。
 
・餌を多く食べさせて早く太らせるために、通常、鶏舎は終日明るく照らされている。
 
※参考資料『フィリップ・リンベリー(2015)ファーマゲドン 日経BP社』

 

●バタリーケージ
 
・米国では、産卵鶏の約95%がバタリーケージ(数段重ねられたワイヤーの檻が、窓の無い倉庫の内側にずらっと並んでいる)に詰め込まれている。
・ゲージには一羽あたり紙一枚のスペースもない。羽を伸ばすことさえできない。
 
●鶏の速成飼育
 
・成長の速い個体の選択飼育と成長を促進させる抗生物質を投与。
・食用の鶏の90%に足の問題や構造的な奇形が見られ、25%以上が骨の疾患による慢性通に苦しんでいる。
 
※参考資料『エリック・シュローサー(2010)フード・インク 武田ランダムハウスジャパン』

 

・でん粉質の多い穀物に変えたことで、タンパク質に飢えた鶏が互いの羽を食べたり、時として共食いまでするような事も起きた。
→高タンパク質の大豆やアミノ酸とともに、食肉解体工場から出る骨粉、血液、内臓といったタンパク質を豊富に含む廃棄物を飼料穀物に補充。
 
※参考資料『ポール・ロバーツ(2012)食の終焉  ダイヤモンド社』

獣医の役割

・EUの獣医学のある大学では、動物福祉がカリキュラムに組み込まれていて、必修になっている。
 
・ケージ飼いを擁護する人々は、卵を産むのだから鶏たちは幸せだと主張する。
 雌鶏たちは品種改良によって、年間約300個産卵するように遺伝的にプログラムされており、餌と水がある限りどんな環境でも卵を産み続ける。
 
●食肉処理場
 
・食肉にしたり、乳や卵をより多く生産させたりするために、動物を長生きさせ、その後はできるだけ手間をかけずに処分できるようにするのが役目。
 
・英国の食肉処理場は、現場に獣医を置くことを義務付けられている。
 その職務には動物の到着と荷おろし立会い、それらが輸送できる健康状態にあったか、輸送環境は良好であったかを調べることが含まれる。
 虐待があれば当局に通報されることもある。
 と畜される前の動物がどのように扱われているか、適切に気絶させられているかどうかも監視する。
 解体・加工・清掃が衛生的に行われているかどうか監視する生肉検査員の指導も含まれる。
 
※参考資料『フィリップ・リンベリー(2015)ファーマゲドン 日経BP社』

動物福祉上の問題点全般

●フォアグラのための強制給餌
 
・フォアグラのために飼育される鴨やアヒルは数週間にわたり毎日2~3回、喉から胃に通した長いパイプから大量の餌を強制的に与えられる。
 鳥の肝臓は10倍にも膨らみ、肝機能は大きく損なわれ、腹部が膨張して立つ・歩くといった簡単な動作も難しくなる。
 
●妊娠枠と子牛枠
 
・米国ではメス豚の60~70%は、4ヶ月の妊娠期間中、孤立した妊娠枠(豚が向きを変えることも、前後に2歩以上動くことができない、金属でできた小さく狭い個別の仕切り)に入れられる。
 フロリダ州とEUは、段階的な使用禁止を進めている。
 
・子牛肉用に飼育される子牛のほとんどは、閉鎖的な枠(通常首を鎖でつながれて、向きを変えることもできない)に閉じこめられる。
 
●長距離輸送
 
・極度の高温や低音から保護するもののないトラックに詰め込まれた動物は、餌、水、休息もなく長距離を移動させられる。
 あまりにストレスの多い状態なので、輸送中の死もよくあることだと考えられている。
 
※参考資料『エリック・シュローサー(2010)フード・インク 武田ランダムハウスジャパン』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください