農家の貧困

農家、畜産関係の作業者の貧困、過酷な作業などの情報についてメモ書きしています。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. アフリカの農業
  2. トレッドミル現象
  3. 米国農場労働者
  4. 養鶏関連の作業者
  5. 工場式農業と貧困
アフリカの農業

・ケニア農家の大半は、サイロや貯蔵倉庫を購入する資金がないため、穀物を蓄える能力がない。
 収穫した作物をすぐに売り出す必要があり、周囲の農家の出荷時期と重なり、価格が低くなってしまう。
 
・鉄道がほとんどなく、道路も劣悪な状態なので輸送が困難。
 
※参考資料『ポール・ロバーツ(2012)食の終焉  ダイヤモンド社』

トレッドミル現象

・農産物の価格が下落すると、固定費(土地は調整できない)を抱える農家は単位面積当たりの生産量を増やすことで穴埋め。
→そのためには、新しい種子や優れた化学肥料や大型トラクターなどの追加費用が必要。
→生産量が増加すれば短期的には収入を維持することができるが、追加費用を回収するためにさらに多くの生産をしなければならない。
→市場が供給過多、さらに価格の下落。
 
・アメリカの穀物市場はカーギル、コンチネンタル、アーチャー・ダニエル・ミッドランドの三社によって占められているため、農場主は買い手が示した低い料金設定を受け入れる以外選択肢がなかった。
 
※参考資料『ポール・ロバーツ(2012)食の終焉  ダイヤモンド社』

米国農場労働者

・カリフォルニア州の15万弱のヒスパニック農場労働者の場合、ある特定の種類の白血病が発生する率が59%、胃がんは70%、子宮頸がんは68%高いという結果が出ている。
 米国環境保護庁(EPA)は農場労働者の農薬への慢性的な暴露を減らす対策を取っていない。
 
・米国では、農場労働者250万のうち、約80%が米国以外で生まれた人達。これらの労働者の圧倒的多数はメキシコ出身で、少なくとも50%の人達には米国での正規労働が認められていない。
 NAFTAの締結後、安価で政府の補助金を受けた米国産とうもろこしがメキシコに入り込んできたために、メキシコの農民が困窮。
 
・農場での労働は米国で最も賃金が低く、大多数は貧困基準を下回る暮らしを送っている。 農場労働者の賃金が低い重大な要因は、不法移民が多いことが挙げられる。他に選択肢がないため、低賃金でも受け入れてしまう。農場労働者斡旋業者の存在も一因。
 
※参考資料『エリック・シュローサー(2010)フード・インク 武田ランダムハウスジャパン』

養鶏関連の作業者

●米国、契約飼育者
 
・食肉処理できる大きさになると、キャッチャーと呼ばれる作業員が一度に最高7羽を手でつかんで木箱に押し込んでトラックに載せる。
 作業員は1時間に約1000羽という信じられない速さで鶏を木箱に詰めることを企業のスーパーバイザーから求められる。
 キャッチャーの手は、普通の手の2倍に腫上がっていて、鷲手と彼らが呼ぶ症状もある。
 
●加工工場の仕事
 
・と畜、除骨、包装の3つに分けられる。
 
○"ライブハンキング"
・処理場に着いた鶏を箱から出して動くシャックルライン(足かせが並ぶベルトコンベア)につるす作業。
 
○"翼折り"
・と畜後の鶏の翼をねじって、切断する位置に縛り付ける。
 
○"翼切り"
・と畜後の鶏の翼をハサミで切り取る。
 
○"除骨"
・と畜後の鶏から肉を切り取る。
 
※参考資料『フィリップ・リンベリー(2015)ファーマゲドン 日経BP社』

工場式農業と貧困

・世界の全穀物収穫高の3分の1と大豆の90%が、工場式農場の家畜の餌となっている。そして、多くの肥沃な土地がバイオ燃料のために使われている。これらの圧力が、人間が食べる穀物の供給を制限し、その価格を上昇させている。
 
・インドでは1995年以降、25万人以上の農場主が自殺している。自殺にいたるまでの過程は人によって異なるが、いくつか共通する要素がある。
 大半は、新しい農業法を採用した事による財政難が原因で、往々にして、大量の高価な肥料、殺虫剤、除草剤、GM種子が関わっている。
 高価なGM種を買うために誘われるまま借金をしたものの、約束された収穫を得られず、借金と高利貸しの容赦ない取立ての犠牲となってしまう。
 商業化が進むと、農家は遠方の市場向けの作物を栽培し、また、土壌の再生を無視するようになる。
 自殺にいたらなかった農場主は、化学農薬、除草剤、種子のためにそれほど多くの借金をせず、地元や近隣の都市の市場に送る作物だけでなく、自分の家族が食べる分も栽培していた。
 
・集約化をすれば働き口が増えると思う人もいたが、それは間違いだった。
 畑で作物を育てる農業は、労働への依存度が高いが、家畜の生産は主に資本とエネルギーに依存する。家畜や飼料を買うのにお金がかかるので、労働者を雇う余裕がなくなる。
 
・肉の生産量を増やせば、値段が下がり、飢えた貧しい人々にも買えるようになるという期待があったが、それはうまくいかなかった。
 飢えているのは地方の人々なので、仮に肉を安く豊富に生産できるようになったとしても、暑く交通網が貧弱な途上国で、腐りやすい肉を地方に分散して暮らす農民のもとへ届けるのは経済的に不可能。
 
※参考資料『フィリップ・リンベリー(2015)ファーマゲドン 日経BP社』

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