農薬の施用方法

農薬の施用方法についてメモ書きしています。

※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。

  1. 作物地上部への散布
  2. 土壌と田面水への施用
  3. 苗箱処理(箱施薬)
  4. 種子消毒
  5. 種子コーティング
  6. 農薬の施用例
作物地上部への散布

・散布機。ヘリコプター。ラジコン機。
・農薬が農耕地以外に飛散(ドリフト)して汚染を起こしやすい。

土壌と田面水への施用

・作物の地下部を加害する病害虫に対しては、作物の植え付け前や生育中に粒剤、粉剤を土壌に混和して防除する。
 
・殺虫剤を土中に施用した場合は、一般的に茎葉散布より天敵などへの影響が少ない。
 
・畑に苗を定植するときの植え穴に、浸透性(植物の根部から浸透して全体に移行する)がある農薬を処理すれば、地上部の病害虫を防除することができる。

苗箱処理(箱施薬)

・苗箱中に農薬を処理する事によって、本田の初・中期の病害虫まで防除できるようになってきた。
 
・病害虫の発生が予測されなくても薬剤処理をするのは好ましくないという見方もあるが、苗箱処理は常発性の病害虫を対象にしており、本田散布の労力がかからず、農薬投下量を水田全面散布の3分の1から4分の1に減らすことができる。
 
・地上部にいる天敵への影響と大気と水を通しての外部への逸散も格段に少なくすることができる。

種子消毒

・イネでは発芽期から生育期にわたって病原菌や線虫が種もみに潜んでいることが多いので、種モミを殺菌剤の溶液に一定時間浸漬することが一般的に行われている。

種子コーティング

・畑作物の発芽時の病害を防ぐため、種子の表面に農薬を付着させる。

防除方法と農薬の使われ方

●水稲
 
・苗の移植前に育苗箱に粒剤を処理して、移植と同時に田の中に入れる方法(箱施薬)が採用されている。処理する薬剤は殺菌剤と殺虫剤の混合剤が多い。
・移植後から生育期にかけては粒剤と粉剤が主流。
・小型のラジコンヘリコプターによる散布が増えている。主に乳剤を希釈して散布する。
 
●果樹類
 
・水和剤、フロアブル剤、乳剤など、水に希釈して散布する薬剤が中心。
・大型散布機(スピードスプレーヤーなど)で大量の水を使って噴霧する。
 
●野菜・花類
 
・植え付け時に粒剤を使うことがある。植穴や土壌全面に処理することで生育前半のアブラムシ類や土壌生息害虫の防除ができる。
・生育期は水和剤、フロアブル剤、乳剤を水で希釈して散布する。


※参考資料『坂井道彦,小池康雄(2003)ぜひ知っておきたい農薬と農産物 幸書房』

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