遺伝子組み換え作物の混入、汚染

遺伝子組み換え作物の混入、汚染についての情報をメモ書きしています。

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  1. 近縁種との交雑、食品への混入
  2. 遺伝子の水平転位、遺伝子汚染
近縁種との交雑

※以下の記事も参照。
遺伝子組み換え作物の有機農家への影響、有機農業との比較の”遺伝子組み換え作物による汚染”
 

●近親種との交雑
 
・遺伝子組み換え作物の花粉が飛び、近縁種との交雑が生まれる恐れがある。その交雑種が在来の植物を脅かす可能性がある。
 
・遺伝子組み換え作物を栽培している畑に対し、緩衝地帯が設けられているが必ずしも十分な距離がとられていない。
 
・交雑してもその作物は枯れてしまう、と主張されているが、必ずしもそうではない。
 
●遺伝子組み換え原料の食品への混入
 
・遺伝子組み換え作物を給餌された家畜に由来。
 EUの食品表示法では、遺伝子組み換え作物のえさを与えられた家畜から生産された肉、卵、魚、乳製品には表示義務がない。("有機"と表示された製品は例外)
 
・食品、家畜の餌、種子については、一定量まで遺伝子組み換え作物の混入を許容している。
 
・遺伝子組み換え酵母菌や酵素由来の原料によっても混入が起こる。遺伝子組み換え原料が含まれている食品添加物についても表示する必要が無い。
 
・遺伝子組み換え作物を生産している国では、非遺伝子組み換え作物との交雑が大規模に広がっている。
 
※参考情報『アンディ・リーズ(2013)遺伝子組み換え食品の真実  白水社』

遺伝子の水平転位、遺伝子汚染

●遺伝子の水平転位
 
・遺伝子組み換え作物の"除草剤耐性"の形質が雑草に転位して、新たな"除草剤耐性雑草"を生み出す恐れがある。
 
・遺伝子組み換え作物に導入したウィルスの遺伝子が別のウィルスに感染して、伝染力の強いウィルスを生み出す恐れがある。
 
※参考資料『アンディ・リーズ(2013)遺伝子組み換え食品の真実  白水社』

 

●遺伝子汚染
 
・化学物質による汚染の場合は、時が経つにつれて環境の中に浸み込んでいくが、生物は繁殖して種をつくり、突然変異を起こして環境汚染を拡大していく。
 生物による汚染は化学物質のように分解せず、流失した物質を除去することもできない。生物による汚染は飛躍的に増殖することもあり、そうなった場合管理することも回収することも困難。
 
・2004年に全米科学アカデミーの学術研究会議が発表した報告書は、遺伝子組み換え植物のDNAが飛散して環境に害を及ぼしている、と伝えている。
 遺伝子はその後さらに拡散し、それに伴って環境に悪影響を与えるが、それを抑制することは不可能とまでは言えないにせよ困難だろうと報告書は述べている。
 多くの遺伝子組み換え作物を、自然界という遺伝子の貯蔵庫の中に侵入させないために"強制的に封じ込める"べきだと報告書は提案している。ただし、どんな方法を採ったとしても、100%確実な効果はないと結論付けている。
 
・環境保護庁(EPA)の科学者たちが2004年に作成した報告書も、生物による汚染を管理することは実現不可能な仕事だという。
 遺伝子組み換え牧草が20キロ以上離れている野生の植物相を汚染する可能性があることを実証している。
 
※参考情報『アンドリュー・キンブレル(2009)それでも遺伝子組み換え食品を食べますか? 筑摩書房』

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