食肉生産の効率性

食肉生産の効率性に関する情報をメモ書きしています。

●牛肉生産の効率性
 
○穀物と牧草育ちの牛
・CAFO(集中家畜飼養施設)の牛は、生後6ヶ月で囲いに入れて配合飼料で肥育し、およそ4ヶ月で約620キロになって食肉加工場へ出荷。
 牧草の場合は、約500キロになるまでに2年かかる。
 
○牛肉の効率の悪さ
・最も優秀なCAFOでも牛の体重を約0.45キロ増やすためにすくなくとも約3.2キロの飼料が必要とされ、その量は豚の2倍、鶏の3倍以上に及ぶ。
・牛は小型の家畜と比べ、体重の60%が骨、内臓、皮で食用にならない部分が多い。
 従って実質的な転換率はさらに低くなり、牛肉1ポンドに対し、20ポンドの穀物が必要になる。(豚肉7.3ポンド、鶏肉4.5ポンド)。※1ポンド=0.453592キログラム
 
※参考資料『ポール・ロバーツ(2012)食の終焉  ダイヤモンド社』

 

・1キログラムの牛肉を生産するのに必要な穀物の量は20kg、豚肉の場合は7.3kg、鶏肉の場合は3.5kgという試算もある。
 
・飼料の生産過程では、窒素肥料の合成から化石燃料ベースの化学物質を飼料作物に用いる事にいたるまで、化石燃料を大量に消費する農法に頼っている状況。
 
※参考資料『エリック・シュローサー(2010)フード・インク 武田ランダムハウスジャパン』

 

・労力と飼料のコストを下げるため、動物たちは閉鎖的な畜舎にぎっしりと詰め込まれて飼育される。
 動物たちの動きを制限する事によって無駄なエネルギーの消費を抑え、屋内に閉じ込めておく事によって気温の変動による影響を減らし、農場労働者が屋外で働かないことによって無駄な時間と労力を削減する。
 
・品種改良で生産性を高めた動物、たとえば早く大きく育つ種、肉付きのよい種、乳をたくさん出す種を選び、特別な餌、薬、飼育環境を用いてさらに生産性を上げる。
 
・肉、牛乳、卵の形で生産されるカロリーよりも、それを得るために家畜に投入されるカロリーの方が多い。
 人間がはじめて牛や羊を家畜として飼うようになった頃は、人間には食べられない草を食べて、人間が食べられる物に変えてくれていたので、転換効率は問題にならなかった。
 豚と家禽は、残飯や飼葉を与えられていた。
 
今は、人と動物が穀物をめぐって競い合っている。
 
※参考情報『マイケル・ポーラン(2009) 雑食動物のジレンマ 東洋経済新報社』

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください